葦と棚田と自転車と、それにパーキンソン


琵琶湖岸の葦原を眺めながら自転車で走るブログです
by kwhiro
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31
カテゴリ
以前の記事
フォロー中のブログ
外部リンク
メモ帳
最新のトラックバック
ライフログ
検索
その他のジャンル
ブログパーツ
最新の記事
ワイパードライブ
at 2017-05-17 22:23
祝アジア選手権優勝
at 2017-04-16 07:55
勘違い
at 2017-03-30 22:24
Avalox p900
at 2017-03-20 12:21
バックハンドが振れない訳
at 2016-12-22 23:00
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧

臭いとパーキンソン

James Parkinsonが書いた原著にはパーキンソン病の症状として
認知症が含まれていなかったために、長らくパーキンソン病患者さんは
認知症を呈さないと考えられていた時期がありました。
しかし日本の小坂先生がび慢性レビー小体病という病名を提唱されて
から、パーキンソン症状と認知症の両方の症状を示す患者さんは少ない
どころか、アルツハイマー病についで2番目に多い認知症であるということが
分かってきました。

それでは、運動症状だけを示すパーキンソン病患者さんと、認知症も起こして
しまう患者さんの間には何か違いがあるのでしょうか?

実はこれを予測する良い指標は今まで無かったのですが、患者さんの嗅覚を
調べる事によって認知症の発症を予測出来るという論文が発表されました。

44人の認知症の無いパーキンソン病患者さんに
odour stick identification test for Japanese (OSIT-J, 第一薬品)という
12種類の臭いスティックを嗅いでもらって、著しい嗅覚障害があるグループ
(20名)と嗅覚障害の無いグループ(24名)に分けます。

この患者さんたちを3年に渡って経過観察したところ・・・
この44人のパーキンソン病患者さんの内10人が認知症を発症したのですが
この10人が10人とも嗅覚障害のある人でした。
嗅覚障害のある患者さんでは41.7%の人が認知症を発症したのに対し、
嗅覚障害の無い人では3年間の内に認知症を発症したのは0%でした。

同時にPETで患者さんの脳の代謝を見てみると
d0182277_1626993.jpg


嗅覚障害のある患者さん(with SH、右側)では
嗅覚障害の無い患者さん(without SH、左側)に比べると、初期から
かなり広範囲に脳の代謝が落ちていることが分かります。
(特に後部帯状回や後頭葉内側皮質などで)

Braakの仮説ではパーキンソン病の病理所見は延髄の迷走神経背側核
から中脳、そして大脳皮質へと吻側へ拡大することになっています。
d0182277_22225110.jpg

もちろんBraakは嗅球や扁桃体にもレビー小体を認めると言っているのですが
こうしてみると、Braakの仮説通りゆっくり垂直方向にレビー小体がひろがって
いく経過のゆっくりしたタイプのパーキンソン病と、発症初期から嗅球から
水平方向に広範囲に病変が進んでしまうタイプがあるのかもしれません。

という訳で鼻が悪い人がパーキンソン病になると数年間で認知症状が進む可能性
が高いのですが、これ私非常に困ってしまいます。
実は上の娘が産まれた頃(もう10年以上前ですが)から臭いが感じにくくて
困っているんです。娘のおしめを換える時にウンチの臭いが分かりにく
かったのが、今思えば一番最初の症状だったのかもしれません。
何故臭いが鈍感になったのかズーッと謎だったのですが、こんな答えが待っていたとは。


(Brain 2012: 135; 161–169)
[PR]

by kwhiro | 2014-08-15 22:31 | Comments(0)
<< アノスミア ニュープロ増量中 >>