人気ブログランキング | 話題のタグを見る

葦と棚田と自転車と、それにパーキンソン


琵琶湖岸の葦原を眺めながら自転車で走るブログです
by kwhiro
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
カテゴリ
以前の記事
フォロー中のブログ
外部リンク
メモ帳
最新のトラックバック
ライフログ
検索
タグ
その他のジャンル
ブログパーツ
最新の記事
ppp
at 2018-12-15 00:59
ワイパードライブ
at 2017-05-17 22:23
祝アジア選手権優勝
at 2017-04-16 07:55
勘違い
at 2017-03-30 22:24
Avalox p900
at 2017-03-20 12:21
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧

勘違い

何回か過去の記事に挙げたライタリー。従来のメネシットからどう切り替えるのかっていう話が載っていたので読んでみてビックリ。思っていたのと全く違う。
レボドパを末梢の組織でドーパミンに変換してしまわないように、メネシットはレボドパと脱炭酸酵素阻害剤であるカルビドパの合剤となっているのは皆さんご存知の通り。レボドパは血液脳関門を通過出来るので、中枢神経系でドーパミンに変換される。脱炭酸酵素阻害剤は神経以外の組織ではレボドパがドーパミンに変換されるのを妨げるのだが、それ自身はエルドパと違い血液脳関門を通過出来ないので、肝心の中枢神経内のドーパミン作動神経でレボドパがドーパミンに変換されるのは妨げない。実にうまく出来ているのである。実際レボドパはカルビドパとの合剤として使用されるようになって、はじめて臨床的に実際に使える薬になったと言って良い。ライタリーではこの脱炭酸酵素の活性がそれまでのメネシットと比べて大幅に長持ちするので、メネシットと比べてレボドパの量は節約出来るのだと思い込んでいた。
ところが下の図によるとメネシット(IR CD-LD)を1錠服用した時と同じ効果を得ようとすると、なんとメネシットに含まれるレボドパの3倍量を含んだライタリー(ER CD-LD 3×)がいるのだという。(この図はEJ Alberto 達の論文にのっていたものをNeurology clinical practice という雑誌より引用しています。)
勘違い_d0182277_16314324.jpg

実際には3倍まで必要でなくて、実用的には2倍程度でOKと書いてあるが、どちらにしてもメネシットと同等の効果を挙げようと思うと、メネシットに含まれるレボドパより最低でも2倍程度のレボドパを含んだライタリーがいるということらしい。まあ考えてみれば半減期が数倍長くなるので、この血中濃度曲線の下の面積を保とうと思えば、数倍のレボドパがいるのは当然かもしれない。なのでこのライタリーはやはりある程度病気になってから時間がたって、ジスキネジアやウエアリングオフが明らかにある人のためのお薬ということになる。ジスキネジアのある人だと最高血中濃度が黒線ほど上昇してはいけないので、赤線の代わりに緑線くらいにしておこうという具合に使うんだろう。しかし例えば今メネシットを一日
400mg服用している人はいきなり倍の800mgのレボドパを服用することになる訳だ。レボドパの服用量の概念がかなり変わりそうである。


by kwhiro | 2017-03-30 22:24 | パーキンソン
<< 祝アジア選手権優勝 Avalox p900 >>