葦と棚田と自転車と、それにパーキンソン


琵琶湖岸の葦原を眺めながら自転車で走るブログです
by kwhiro
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Can you still ride a bike? in Wakayama

初めにお断りしておきますが、まだこの論文のオリジナルは読んいません。
(Journal of Parkison's diseaseはopen accessでありませんので)
なので、以下の記事は2次媒体からのものなので誤りがあればご容赦を。

でも、話は極めて簡単。
前回のLancetのbicycle signはオランダからの報告でしたが、
オランダと自転車事情の随分違う日本で同じ事が成り立つか
どうかを確認した論文です。

で、結果はオランダと同じ。
パーキンソン病と診断された人は9.8%しか
自転車に乗れなくならなかったのに対し、
パーキンソン症候群と診断された人は
何と88.9%の人が自転車に乗れなくなった
という、オランダよりも更に大きな差が出る結果となっています。

従って日本でも'bicycle sign'はパーキンソン病と
症候群の鑑別に有用という結果ですが
次の一文がローディーらしく、実感がこもっています。

if the “bicycle sign” would be reliable in Japan, where the roads are hilly, narrow, and crowded with automobiles.he prevalence of the “bicycle sign” may be much higher in Japan than in The Netherlands (51.5%), which is known as one of the world’s most bicycle-friendly countries. This may be because the tough bicycle environment in Japan makes it more difficult for atypical parkinsonism patients to bike.

オランダの様に国土のほとんどがフラットで、
サイクリストにフレンドリーな国に比べると
日本の自転車乗りを待ち受ける環境はよりシビアで、
パーキンソン症候群の人が自転車に乗り続けるには
あまりにも酷(時には一般人にとっても)というのが結論の様です。

(Journal of Parkinson’s Disease. 1(2). DOI 10.3233/JPD-2011-11039)
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by kwhiro | 2014-07-27 13:20 | パーキンソン | Comments(0)

My wild Irish rose

キース・ジャレットのアルバムThe melody at night with you から。




キースといえば何をおいてもやっぱりケルンコンサートでしょう、
という人も多いと思う。
あれはやっぱり、あの時何かが彼の上におりて来て産まれた、
彼のソロの中でも別格の音楽には違いない。
こんなに録音技術が発達していない時代に彼が産まれていれば
毎回好きなような即興演奏をしてhappyに過ごせたろうに。
彼の他のレコードでよく聞こえてくるうなり声は、毎回
ケルンを超えようとして、何かが又降りてくるのを
祈願しているお祈りの声にも聞こえるし、産みの苦しみに耐えている
女性の声のようにも聞こえる。

しかし、このMelody at night with youではうなり声は聞こえない。
何かが降りてくる事など最初からあきらめているような
ひたすら自分の内面を見つめるような演奏。

この楽譜をプリントして弾いてみよう。
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by kwhiro | 2014-07-26 09:41 | 音楽 | Comments(0)

bicycle sign 2

2011年のLancetに載ったこの論文は「あなたはまだ自転車に乗れますか?」と患者さんに聞くだけで、その人の病気がパーキンソン病か、それとも非定型パーキンソン症候群(パーキンソン病と良く似た症状を呈するけれども、パーキンソンよりももっと早く進行し薬も効きにくい病気の総称)なのかを鑑別出来ると述べています。
彼らは156人のパーキンソンのような症状を持っているけれどもまだ診断のついていない患者さんを集めて3年間経過観察しています。この156人のうち、最初の段階で自転車に乗れるのは111人でした。3年後にパーキンソン病と診断された人45人の内、自転車に乗れなくなったのはたった2人(4.4%)しかいなかったのに対し、非定型パーキンソン症候群と診断された人66人中34人(51.5%)の人が自転車に乗れなくなっていました。
まるで自転車乗りに挑戦するかのようなこの病気ですが、先日の動画のようにパーキンソン病の人では自転車に乗る能力が何故保たれているのかはやっぱりよく分かりません。
d0182277_12353388.gif

非定型パーキンソン症候群の内訳をみますと多系統萎縮症が31.3%、進行性核上性麻痺が8.5%で、血管性パーキンソン症候群が15.3%となっていますが、これらの病気の方はパーキンソン病の方より早く病気が進行するので、単に3年経過した時点でより重症の人が多いのではないか?とも思います。
実際、パーキンソン病の重症度分類であるYahr-Hoen分類では、非定型パーキンソン症候群の群で3度以上(よく転倒する、自分で歩くのが難しい)の方が明らかに多い様ですが、著者らはこのことについては特にコメントしていません。
多系統萎縮症では小脳失調といって体のバランスをとる働きが悪くなりますし、進行性核上性麻痺では姿勢反射障害といってこけかけた時にバランスを取り戻す働きが極端に悪くなりますから、自転車に乗るのにはこういった体のバランスをとる働きが必要とされるのかもしれません。(ただし著者らは失調と自転車に乗る能力は相関しないと言っています。)

著者らはこの'bicycle sign'の感度52%、特異度96%で、ROCのAUC(Area under the curve)は0.74と言っていて自転車に乗れなくなれば、非定型的パーキンソニズムのred flagと言っていますが、実際他の人にも聞いてみると一番多かったのは「うーん、もう何年も乗ってへんから、乗れるかどうか分からん」という返事。世の中はなかなか理屈通りにはいかん様です。

で、私が今まだ自転車に乗れるかと言われれば世間一般的には間違いなくyesでしょうね。
近くのスーパーまで買い物に行けと言われれば問題なく行けます。
ただ、ここ数年で自転車に乗ることの意味が以前と全く違ったものになってしまった私としてはとてもyesとは言えません。
矢橋の帰帆島の橋を登るだけですぐ疲れてしまう様になってからはなかなかロングライドに出かけようという気分にならないのは確かです。うーん、zulloのフレームがもったいない。

(Lancet. 2011;377:125-126)
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by kwhiro | 2014-07-21 10:01 | Comments(2)

bicycle sign

ところが、この病気なかなか自転車と縁が深いものがあります。
まずはこちらの動画(NEJM Video)から。


最初はその場で足踏みをしていてなかなか一歩目が踏み出せないお爺さん。
このように一歩目がなかなか踏み出せないことを「すくみ足」とか
freezing gaitと言います。
足が凍ってしまって最初の一歩が出ないという意味ですね。
時々傍に立っている女性がわざと自分の足をお爺さんの前に突き出します。
ビデオを見ていると、女性の出した足にお爺さんがつまづいてこけたようにも見えますよね。
しかし、これはわざと邪魔をしている訳ではありません。
パーキンソン病の人は何も回りに障害の無い広場のような所では
このようなすくみが強く出ます。
しかし、何らかのキュー(例えば道にゴミが落ちていたりする)
があると、不思議なことに障害物を乗り越えてヨッコイショと歩き始めることが可能です。

これは非常に不思議な現象で奇異性歩行(gait paradoxicale)と呼ばれています。

この女性は自分の足を患者さんの前に出して「これを踏み越えて下さい」
ということでお爺さんの歩き出しを助けようとしている訳で
決して意地悪している訳ではありません。
女性の出した足を踏み越えたお爺さんは、しかしその後トットットッと
早足になり膝からこけてしまいます。
一歩目はなかなか出ないのに一旦歩き始めるとテンポが速くなりすぎ、体が足に
ついて行けずにこけてしまう。
これもパーキンソン病の方の歩行の特徴の一つで「加速歩行」と呼ばれます。

この様に、この短い動画の中には見事にパーキンソン病患者さんの歩き方の特徴がとらえられています。

さて、このお爺さんに自転車に乗ってもらうとどうなるか?
途中でまたこけてしまうんじゃないかという心配をヨソにスイスイ自転車を乗りこなし着地までパーフェクトに決めるお爺ちゃん。
このようにパーキンソン病の人にとっては、歩くことと自転車に乗ることは全く別物の様です。
このお爺ちゃんのように重度の歩行障害があってもバイクには乗れるのです。
まるで自転車乗りのためにあるような病気でしょ。
(N Engl J Med 362; e46, 2010)
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by kwhiro | 2014-07-20 11:04 | Comments(0)

タイトルちょっと変更のお知らせ

皆さんお久しぶりです。
昨年もこの時期に数ヶ月ブランクがあったこのブログ。
意図した訳ではないのですが、今年も2月から全く更新なしで放置状態でした。
実は昨年ブログを再開した時から自分の病気のことについても書いてみたいとは思っていたのですが、まだその時点では最終的な病名もはっきりしておらず決心がつきませんでした。
ゴシさんにはきっとウツウツ仲間と思われているのだろうなと思いながら、表向きはそれまで通りの自転車ブログを続けていたのですが、最近どうしても自分の症状を何らかの形で残しておきたいという気持ちが強くなり、またこのブログを続けることにしました。
というわけで、このページに今まで遊びに来て下さっていた極少数の方々には面白くもなんともない病気ブログになってしまう可能性大ですが、どうか宜しくお願いします。
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by kwhiro | 2014-07-19 23:23 | Comments(4)