葦と棚田と自転車と、それにパーキンソン


琵琶湖岸の葦原を眺めながら自転車で走るブログです
by kwhiro
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<   2014年 08月 ( 3 )   > この月の画像一覧


アノスミア

匂いつながりで最近読んだこの本の紹介。

プロのシェフを目指して修行中のモリーが、ある日交通事故に遭ってしまいます。
膝の靭帯や何やかんやの体のけがからようやく回復した時に彼女は
匂いを失ってしまった事に気がつきます。

d0182277_1965471.jpg


オリバー・サックスが色覚や聴覚を片耳だけ失ってしまった人が
いかにこの世の中が平板に見えるようになってしまったかを書き取った作品が
ありますが、嗅覚の場合はどうやらその比では無いようです。

臭いと共に味も失われてしまい、ステーキを食べても
段ボール紙を噛んでいるよう、アイスクリームは冷たい泥のよう。
においの知覚には、鼻から空気を吸ったときに感じる鼻先香と、口の奥から
ゆっくり口の奥に抜ける口中香の2種類があるようですが、
モリーの場合は交通事故後一旦、この両方の香りが失われてしまったようです。
私の場合は口中香は保たれているようで料理の味は感じることが出来るのですが
風邪引いて鼻がつまった時に料理の味がわからなくなるのは
この口中香が分からなくなってしまうからなんですね。
これがシェフを目指していたモリーにどんなダメージを与えたことか
は想像に難くありません。

もちろん腐っている食べ物の匂いや、ガス漏れの匂いも感じることが出来ない
ので、普通に匂いを感じれば瞬時に判断出来る事が出来ない不安感。
これはここ数年私自身が感じていることと重なるのでよく分かります。
特にちょっと危ないかなあと思うような食べ物を食べて良いかどうか
は、人にクンクンしてもらわないと分からないんですよね。

彼の匂いのするシャツに親密感を感じなくなって、もう私は
誰かヒトを愛せなくなってしまったのではないかと悩むモリー。
幸いにも彼女の嗅覚は徐々に改善していくのですが、その
過程で彼女はオリバー・サックスを手始めに、色々な嗅覚の
研究者や、香水や食品添加物の調香師に会いにいくのです。
しかし、視覚や聴覚の世界と違い嗅覚のことについて解明されて
いることはあまりに少ないことに彼女は気付きます。
焼きたての血もしたたるようなステーキの美味しそうな匂いは、
様々な匂いの成分の集まりというだけなく、視覚にも、聴覚にも
影響されている総合的な感覚なのでしょう。

ある臭いを嗅いだ時に、ああ、あの時あんなことがあったなあと
鮮やかに思い出すことがありますが、嗅覚は色んな意味で
記憶に深く関わっているのでしょう。
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by kwhiro | 2014-08-16 22:52 | Comments(0)

臭いとパーキンソン

James Parkinsonが書いた原著にはパーキンソン病の症状として
認知症が含まれていなかったために、長らくパーキンソン病患者さんは
認知症を呈さないと考えられていた時期がありました。
しかし日本の小坂先生がび慢性レビー小体病という病名を提唱されて
から、パーキンソン症状と認知症の両方の症状を示す患者さんは少ない
どころか、アルツハイマー病についで2番目に多い認知症であるということが
分かってきました。

それでは、運動症状だけを示すパーキンソン病患者さんと、認知症も起こして
しまう患者さんの間には何か違いがあるのでしょうか?

実はこれを予測する良い指標は今まで無かったのですが、患者さんの嗅覚を
調べる事によって認知症の発症を予測出来るという論文が発表されました。

44人の認知症の無いパーキンソン病患者さんに
odour stick identification test for Japanese (OSIT-J, 第一薬品)という
12種類の臭いスティックを嗅いでもらって、著しい嗅覚障害があるグループ
(20名)と嗅覚障害の無いグループ(24名)に分けます。

この患者さんたちを3年に渡って経過観察したところ・・・
この44人のパーキンソン病患者さんの内10人が認知症を発症したのですが
この10人が10人とも嗅覚障害のある人でした。
嗅覚障害のある患者さんでは41.7%の人が認知症を発症したのに対し、
嗅覚障害の無い人では3年間の内に認知症を発症したのは0%でした。

同時にPETで患者さんの脳の代謝を見てみると
d0182277_1626993.jpg


嗅覚障害のある患者さん(with SH、右側)では
嗅覚障害の無い患者さん(without SH、左側)に比べると、初期から
かなり広範囲に脳の代謝が落ちていることが分かります。
(特に後部帯状回や後頭葉内側皮質などで)

Braakの仮説ではパーキンソン病の病理所見は延髄の迷走神経背側核
から中脳、そして大脳皮質へと吻側へ拡大することになっています。
d0182277_22225110.jpg

もちろんBraakは嗅球や扁桃体にもレビー小体を認めると言っているのですが
こうしてみると、Braakの仮説通りゆっくり垂直方向にレビー小体がひろがって
いく経過のゆっくりしたタイプのパーキンソン病と、発症初期から嗅球から
水平方向に広範囲に病変が進んでしまうタイプがあるのかもしれません。

という訳で鼻が悪い人がパーキンソン病になると数年間で認知症状が進む可能性
が高いのですが、これ私非常に困ってしまいます。
実は上の娘が産まれた頃(もう10年以上前ですが)から臭いが感じにくくて
困っているんです。娘のおしめを換える時にウンチの臭いが分かりにく
かったのが、今思えば一番最初の症状だったのかもしれません。
何故臭いが鈍感になったのかズーッと謎だったのですが、こんな答えが待っていたとは。


(Brain 2012: 135; 161–169)
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by kwhiro | 2014-08-15 22:31 | Comments(0)

ニュープロ増量中

只今ニュープロ増量中です。
ドーパミン受容体アゴニストの中で唯一の貼り薬。
飲み薬と比べて24時間安定した血中濃度が得られるのが売り。
あんまりひどくかぶれたりはしないのだが、夏場になって暑くなり
汗をかくと、無意識の内にポリポリ掻いてしまうことが。
となると、やっぱり途中で剥がれてしまうことがあります。
最初に30秒くらいギューッと押さえつけろと書いてありますが
ちゃんと押さえても剥がれるときは剥がれる。

後、ニュープロ貼りだしてからだと思うのですが、夜中何度も目が覚めます。
非麦角系のアゴニストと言えば、突発性睡眠や眠気などの副作用
が有名なので、ちょっと意外な感じです。
現在一日9mg貼付中ですが、まだまだ量が少ないのか、底上げ効果は
あまり感じられません。しかし、日に2枚も、3枚も貼るとなると
どうしようかと考えてしまいます。
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by kwhiro | 2014-08-02 22:53 | パーキンソン | Comments(0)