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中学校の頃、一時期SFしか読まない時期があった。
中でも好きだったのがA.C.クラークの「地球幼年期の終わり」と アルフレッド・ベスターの「虎よ!虎よ!」。 その頃はそんなこと知らずに読んでいたけれど 実はこの「虎よ!虎よ!」、共感覚者の話だったんだ。 共感覚者っていうのは、あれですね。 ある音を聞くと色が浮かんできたり、ある数字を見ると 決まった色がついて見えたりする人の事ですね。 一つの感覚モダリティ(例えば聴覚)から入った情報が 他の感覚モダリティ(この場合は視覚)で引き起こされる はずの反応(この場合は色が見えてしまう)を起こす事が ある種の人の頭の中では起こる訳です。 実際こういう共感覚を持っている人が一定の割合で 存在することは今では知られているけれど、「虎よ!虎よ!」 を書いたベスター自身はそんなことは知らなかったろう。 この「虎よ!虎よ!」ではこの共感覚者の反応を活字で どう表すかが試みられていてそれは、子供心にもとても 斬新だった。 いくつか前の記事で紹介したシャルルボネ症候群は 一つの感覚モダリティ(この場合は視覚)からの入力が 完全に遮断された時に大脳皮質がどうふるまうかという 一つの例を示しているが、人間の脳にはこのような謎が まだまだ秘められているのだろう。 それはさておき、そのベスターのもう一つの長編、「分解された男」。 ヒューゴー賞の第1回受賞作である。 実は昔読んだかどうか記憶になかった。 表紙の絵は今風にアップデートされていて見覚えは全くなし。 しかし表紙をめくると、昔ながらの創元文庫のスタイルで 扉に登場人物の名前がズラリ。 60年代の翻訳なので、さすがにちょっと古めかしい言い回しもあるが、読み始める とすぐにそんなことは忘れてしまう。 「顔のない男」登場した時点で、やっぱり前に読んでいたことをすぐ思い出す。 しかしそこから先は最後のページまで止らない圧倒的な疾走感。 この本のすぐ後で最近のヒューゴー賞受賞作「ベガース・イン・スペイン」も読んだが 私の中では30年以上も前のこの作品の方が圧勝だった。 寡作な作家でこの二つの長編以外は手に入らないのだが 今彼が生きていたらどんな物語をつむぐのだろう。 って、よく考えたらベスター自身が共感覚者だったのかもしれないな。
by kwhiro
| 2012-06-24 20:35
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